マイナス金利政策が与える変動型住宅ローンへの影響についてご紹介します!

2024年5月28日

将来の不安を解消したいとお考えの方の中には、マイナス金利政策について知りたい方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、マイナス金利政策とは何か、またマイナス金利政策が与える変動型住宅ローンへの影響についてご紹介します。

目次

□マイナス金利政策とは

2016年1月、黒田総裁のもとで日本銀行は、金融緩和策の強化を目指し、歴史的な措置として初めて「マイナス金利政策」を導入しました。
これにより、日本銀行が金融機関から預かる一部の当座預金にマイナス0.1%の金利を課すことで、預金が増えると損をする状況を作り出し、金融機関に資金を積極的に貸し出すよう促す狙いがありました。

この政策導入後、企業への貸し出し金利や住宅ローンの金利は著しく低下しましたが、物価の上昇にはつながらず、金融機関の収益が圧迫されたり、年金基金の運用に悪影響が出たりする副作用も表面化しました。

その後、日本銀行は2024年3月19日までの金融政策決定会合で、マイナス金利政策の解除と金利引き上げを決定しました。

□マイナス金利政策が与える変動型住宅ローンへの影響

2024年3月19日の決定は大きな転換点でしたが、当面は日本銀行が緩和的な金融政策を続ける見通しです。
短期的には、私たちの日常生活に大きな影響が出る可能性は低いでしょう。
マイナス金利政策の解除に伴い、国内の銀行は普通預金の金利を引き上げました。
多くの銀行が金利を0.001%から0.02%に引き上げたほか、ネット系銀行では0.03%を提供するところもあります。

各銀行による差はありますが、定期預金金利も上昇しています。
これまで日本の預金金利は非常に低かったですが、今回の決定により状況が変わりつつあります。
今後は、高金利の定期預金を提供する銀行により多くの資金が集まることが予想されます。

企業向けの融資金利も上昇の兆しが見られます。
2024年3月15日に0.13%であった「東京銀行間取引金利」(TIBOR)の1カ月物は、22日には0.19%まで上昇しました。
TIBORは企業向け貸出金利の指標として使用されます。

一方、決定会合前後で変動金利型の住宅ローンの金利指標である「短期プライムレート」は変化していません。
現在の短期プライムレートは1.475%です(日銀公表の最頻値)。

短期プライムレートが最後に引き上げられたのは2007年3月で、1.625%から1.875%に上昇しました。
しかし、その後のリーマンショックにより、世界経済が悪化し、2008年11月には1.675%、2009年1月には1.475%に低下しました。
そして2016年1月のマイナス金利政策導入時には変化はありませんでした。

3月の決定会合で、日本銀行は無担保コールレート(オーバーナイト物)を0~0.1%程度で維持する方針を示しました。
翌日物の金利が明確に0.1%を上回る状況が続かない限り、短期プライムレートに大きな上昇圧力はかからず、変動金利型の住宅ローン金利は大きく変動しないでしょう。
ただし、一部の銀行は変動金利型の住宅ローン金利の指標としてTIBORを使用しているため、取引銀行の政策によって金利が上昇する場合もあります。
※2024年4月18日現在

□まとめ

金融緩和策の強化を目指し2016年1月に「マイナス金利政策」を導入し、2024年3月19日までの金融政策決定会合で、マイナス金利政策の解除と金利引き上げを決定しました。
マイナス金利政策が変動型住宅ローンに与える影響は小さいと考えてよいでしょう。

三井開発には、住宅ローンアドバイザー、ファイナンシャルプランナー、宅建士も常駐しております。
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